うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

建築地一考

のろのろ台風の影響で各地で被害が続出。
異口同音に「今まで何十年暮らしていてこんなことはなかった」という言葉を繰り返し聞いて、以前の日本の気候とはすでに違うんだと感じざるえません。

今までの雨、風の体験から「ここに暮らしても災害はない」と判断して集落が構成されているはずです。熱帯地域のような雨の降り方が許容範囲をオーバーし、被害が発生しているように感じます。

子供の頃、橋桁が流されたとかほとんど聞かなかったし、床下・床上浸水は海抜が低い地域特有のものだと思っていた。でも最近は川の氾濫があちらこちらで起きて山間部でも浸水という被害が出ています。

建築をしていると建築地はどこがいい?という問いにぶつかります。
会社がある場所は昔は天白川の氾濫によってできた砂地。川から水を引きやすいこともあり、昔は田畑でした。
北に歩くと小高い丘のような台地になっており、人々はここに暮らしていたようです。

過去に人が暮らしていた場所なら安心という判断になりますが、昨今の気候変動では通用しない可能性があります。高台は昔より強くなった強風に晒されるし、低地は過去にはなかった雨量による川の氾濫、追いつかない排水性能でオーバーフローという可能性があります。

絶対大丈夫ということはないですね。
ただ先人たちが経験値を元にして積み重ねた来たことはまず脳裏にいれないといけません。
地名は先人たちが遺してくれた貴重な遺産。そして地形。地形と地名から過去ここはどうだったか?がある程度推定できます。

鳴海・・・海から鳴る→成る→海から盛り上がった丘という意味。すなわち海沿い。
昔の鳴海は海のすぐ横だったのがわかります。

鳴海から笠寺観音に向かい東海道を北に。
笠寺から桜、呼続は台地で高くなっており、そこから宮の宿へ。そして七里の渡し。

蓬莱軒近くにあります。ここから桑名まで船。となると、地図で描いた青線より西は過去は海だったと思われます。
こういうことを知っておくだけで対策ができる。
元々海だったからダメではなく、知っておくことで対策ができればそれでいいのです。
名古屋市南区などは排水管の直径が大きく、排水能力が高い。大雨でも浸水となっていない。
強い街に作り替えられているのです。
そういうことを知って建築地を決めればいい。高台だからいいということではないですよ。
普段の生活は高台は大変ということもしばしば聞きます。

全てに長所・短所、表裏がある。それを知った上で判断すればいいのですよ。


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