うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

ゆらり東北 その3

以前から一度は行きたかった宮城県は白石市の湯主一條。ここが目的地です。

木造の3階建ての建造物は国の登録有形文化財に指定。
貴重。
こんな急勾配の土地に建っている。

この道は敷地内だろうね。私道。本館と別館をつなぐ空中回廊がある。

東日本大震災の時も被害0だったとのこと。
堅固に地盤に建っているからだそうです。
建物を見ると外周に壁などほとんどなく、オールガラス障子。耐震等級で判定すると倒壊間違いなしになるはず。
でもそうならないのは地盤の強固さと大工の仕事の質の高さの2つがミックスしているからだと思います。
大工の仕事の質を耐震関係では考慮しないのが現代。いかがなものかと思います。
古来から震災に悩まされてきた日本なので、当然倒壊しないための先人の知恵があるのですが、それはどんどん不要なものとされ、机上の理論のみで判定される。
私は好きではないですが、あがらう事もままならず法規に沿ってやるしかないのが今です。

本館の入り口には歴史を感じる看板が・・・
「旅人宿屋業 一條一平」水戸黄門に出てくる旅籠みたいですねぇ。

ガラス障子+欄間ガラス障子。

手摺親柱と受け材に近寄ってみると・・・楔打ち込み。材は親柱はケヤキ、受け材は桧。

石の上に載った石場建て。

往年使われただろう部屋の№。

本館内部。夜は別格です。

フロントはお客様には見えないようになっています。
フロントっていつもどうかなぁと思うのですが、ないのは斬新。
その代わりバックヤードでスタッフが待機しているはず。
これも大変。
タバコを外で吸っている方がいましたが、その吸い殻がいつも無くなっています。
きれいな灰皿に。
これは特筆すべき業務のルーティーン化。

小さなことだけど大変なルーティーンです。
でもいつもきれいなのは宿泊者にとって心地よいものです。
一事が万事、そういうものを感じさせてくれる宿「湯主一條」

とってもお勧めします。また行きたいところの一つになりました。

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