うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

古建築から学ぶ

休日は城址探訪と古い建物の探訪がルーティーン。

城址探訪は石垣を見るばかりですが(笑)、古い建物にはたくさんの要素が詰まってて魅力満載。

今日のblogは石垣がテーマではないですが、パノラマで撮影した石垣を一つだけご披露します。これは伊勢松坂城址。すごい石垣でびっくりしました★

昔の方は人力でよくもまぁこんなものを作ったものだ・・・崩れない勾配を知っているし、土圧というものも知ってて築造している。石の積み方の方向も厳しくチェックしている。

石に目があると聞いたことがありますが、木と向き合う大工棟梁と同じだよ。素晴らしい。

先日出かけたところは伊勢亀山城址ですが、近くに旧東海道の宿場町「関宿」があり、ぶらりと行ってきました。

ここ本当に古い町並みが残っており、ほとんどの家が現役で住まわれているという奇跡的な町でした。

江戸期のものがあり、明治、大正、昭和初期のものが混在するレトロな街並み。

雰囲気あるでしょ~。歩いているだけでタイムスリップモードに。大半の建物に地元の方が住み続けています。すごい!

住んでいることからお店が少ないのがネックかもしれませんが、本当に見るということが目的にしていきたいところです。

漆喰部分を拡大すると・・・漆喰でスマートなラインが伸びている。うますぎる。感動しちゃうよ。

これだけきれいに維持していくのも大変で、自治体が多少なりとも援助しないと維持できないと思う。

江戸期の建物はこれ。

立派でするまさに日本の原風景を思い出させる建物。

この引違戸は大正、昭和初期の絵柄。楕円があったり、掘り込みがあったりで職人の技が光る逸品。

これは昭和かな~。私の親方がこういうものをよく作ったと言ってたからね、昭和だと思います。

昭和だけどとっても美しい。床下換気口ですよ。この網の荒さは虫は浸入するけどね。

これは現代。あるお店のフロント。ステンドガラスの組み方は大正浪漫です。丸い電灯もいい!

銭湯の入り口。これは明治後期から大正、昭和初期のデザイン。モルタルの洗い出し仕上げ。

近くで見ると・・・見事すぎる。左官職人がモルタルでこの形を整えている。角も真っすぐ通ってて美しいね。

今の職人さんでこれができるとは思えないが、うちにいる職人さんはできるはず。

半端な修行した職人では到底できないものばかりです。古い物をどんどん廃棄するのではなく、もう一度見つめなおすことは大切。

不易流行という言葉があります。いいものはずっといいという意味。建築にはそういうものを残すべきで、何でも新しいものばかりでは文化が消える。守っていきたいです。

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