土壁は一定の耐力をもっています。これを撤去してしまうと弱くなるのでなるべく傷めないように解体してもらっています。

当時としては珍しい米ツガの柱です。輸入材というだけで、物珍しさと高級感があったんでしょうねぇ。
梁まで土壁が到達していないのは少し残念だけど、まぁ良しとします。土壁を考慮せずに耐震強度を高める設計してあるので。

垂れ壁横の柱に力貫の穴があるが、入っていない。それはこの垂れ壁を乾式で仕上げようとしたからだと思います。

痕跡からわかることがたくさんある。こういうのを見つけるのも内装解体中の楽しみの一つ。
逆にここは力貫あり。

力貫と鴨居を吊り上げるメカスというものがないが、これはどういう施工したのかは不明。大壁にした部分で垂木で間柱を立て吊り上げたかも?
メカスはこれです。


棟梁ごとにいろんな納めをするのが当時の木造建築。
棟梁ごとに違うので均一化しようとしたのが規格住宅。だから技が激減。金儲け最優先で考えるとロクなことがないってことです。流儀があっていい文化なのに、流儀を抹殺して管理監督しやすいようワンパターン化する。
肝心な耐震などは最低限のルールは必要だと思うけど、そのほかのところは流儀があっていいのではと思います。
オレ流から学ぶこともたくさんあって、引き出しも増えていくのですが・・・最近嘆きばかりで苦笑いするしかないです💦
