うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

基本構造

毎日、事務所でこの構造躯体と出逢っています。

柱は奥三河産の自然乾燥ヒノキ。鈍い光沢がとっても素敵。
横に横たわる梁はこれまた奥三河産の自然乾燥スギ。光沢はないけど、しっとりした質感が好き。

こう見るだけでかっこいいでしょ?
集成材ではこのかっこよさ、飽きのこない雰囲気は出ないと思っています。
なんだかんだ言って無垢材。
大工さんの技量が全てに出る無垢材は木の文化を守っていくことにもなります。
昨今は大工さんの技量が必要じゃない家が90%以上あるのではと思うこの頃。
大工さんに見えるけど、ただの既製品貼りつけ屋じゃないか・・・と私たちの大工さんたちと会うとそんな言葉が出てきます。

既製品では技量が培われない。
考えなくていいからです。
無垢材は、反り勝手、曲がり勝手、元末(元は根っこ、末は木の先っぽ)を見ながら適材適所で配置するのが大工さん。
反っていけないところには、材の選択も厳しく見てやるのが棟梁と言う人たち。
集成材だと見なくていい。反りもしないし、割れも曲がりもしない。
建築会社は技量が足らない大工でも雇えるから、低コストで発注でき、会社の利益が上がるというストーリーができてしまった感があります。現場監督も知識なくて良いしね・・・
昨今の業界の風潮を見ていると、絶望的な思いがあります。
私が大工修業した時の木造建築とは乖離していますもの。
職人たちと一つ一つ手を加えて、考えながら作っていくということは次世代の建築を担う人たちの宝になると思うのですが・・・

国の建築施策がどうも伝統的な木造建築を大切にしないことが多くてねぇ。
ただ戸建リノベーションは力量が必要。
私たちはここが最も力を出せる会社です。
今行っている増改築はその典型です。難しいよ、考えること多いよ、リアルタイムで行動しなくてはならないよ、そういうことが次世代を育成していくことになる。
断固としてリノベーションの提案力、施工力、管理能力を高めていく所存です。

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