うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

50年経た材に再び息吹を★

昨日は解体工事の前の解体お祓いの儀が執り行われました。

最初に訪問したとき、美しい造作にとても感動しました。
大工の仕事は見える部分に全てが入っている。
特に和室なのです。材料の選択、そして棟梁の技術。
これが全てに現れるのが和室の設えです。
拝見した瞬間に、全て壊して廃棄してしまうのではなく部分的に使ってあげないと!と決定して、プランの中に練りこみましたよー。

昔の棟梁が精魂込めて作った材を再生して使う。私はこういうことはとても好きです。
勿体ない精神とも言えますが、木はもともと生きていたもの。その命を燃やして空気中に放出してしまうのではなく、再び使ってあげる。
二酸化炭素ストックしてくれる素晴らしい素材が木材だしね。
持ち帰ってきたものはこれだけ。あと柱2本残すよ。

こ長押の仕事ぶりはこんな風。仕口がちゃんと目地差しにしてあってばっちり。今の大工はドン付けですわ(怒)

ドン付けというのは、「部材を直線状に切断しただけで、2つの部材を接合すること。
ドン付けは芋継ぎとか源(現)造ともいい、もっとも簡単な接合方法である。しかし、きれいな状態を維持させるのはもっとも難しい継手である。」とネットでがっちり説明されていました。芋、げんぞうともよく言ってましたねぇ。下手な大工の仕事の典型。
目地入れというのは、

木口と木口を突き付けで繋ぐ時に、ずれないように15ミリ程度の短いホゾ状の凸を付けること。
 相方には同じ形の凹状の溝をつく。こうした凹凸の細工を目地を入れるという。これもネットで。いい大工は必ず入れていますよ。
長押の断面。柾目の素晴らしい材。無節かつ柾目なので、少しの衝撃で割れてしまうから大工さんは気を使ったと思いますよ。

長押の裏。大工がきれいに加工している。かなり感動。最近は既製品ばかり。集成材というもの。無垢の長押は知恵と技術が必要。あっぱれ。

二本の欄間は間仕切りに使うよ。楽しみに待ってて。

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