うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

構造材を考える(4)国産の集成材

木造在来工法の住宅の構造材の種類
(1)国産の自然乾燥材
(2)国産の人工乾燥材
(3)外国産の人工乾燥材
(4)国産材の集成材
(5)外国産の集成材と続く木材のあれこれ。
今日は(4)国産の集成材についてお話します。
 

この集成材、国産の杉の柱と比較すると一本価格はかなり安価。
木材とは成長するまで時間が相当かかりますが、温暖な地方ではそのスピードが早く短期間で木材として活用される。
温暖な地方の木の特徴は育ちが早いということ。
それは年輪を見るとわかります。
下記の写真は奥三河の貯木場で撮影したもの。
樹齢としては60年ほどでしょうか。
木の中心部で約10年、その外輪で50年、木の年輪の数え方はこんな塩梅です。
集成材の写真と比較してください。
年輪の密度が全く異なります。
木の価値はこの10年程は崩れてしまっています。なぜなら木の価値を求める方が減ったからです。
需要と供給の関係で価値が上下するのは世の常。
私が大工の頃は、マグロと同じだなぁとよく思っていました。マグロの部位はこんな風ですよね(ネットから失敬しました〜)

木材でいうと、
①大トロは節がない四方無地
②中トロは節が1,2面ぐらいしかないカネ方無地
③赤身は節があるが構造材として活用できるもの
④尾は構造材としては使えないが、板材、下地材ならバッチリというもの
⑤ほほ肉、カマ、頭肉は長さがないが化粧材で使える綺麗な材   こんなイメージでしょうか。
そこで一番トップの集成材をみてください。
これは④の板材・下地材なら使えるというものを貼り合わせたものと理解してもらうといいです。
集成材の柱はほぼ4層になっています。一枚一枚をラミナーと言います。
接着剤で引っ付けるので、ラミナー自体の強度は不要です。
そのままでは構造材では使えないものを整形して作ったと理解ください。
これがだめということではありませんよ。
反らないし、割れないし、狂わないという利点もあります。
ただお客様によく言うのは「集成材を法隆寺五重の塔に使用していたら、今 建ってますかねぇ??」と。
異口同音にアンサーは「ノー」です。
一つだけ知っててください。
人間が作り出したものは壊れて必ず形がなくなると。自然のものは環境さえ保全できれば、五重の塔のように1000年も維持されることがあると知ってほしいです。
換気扇は不滅ではありませんよね。必ず壊れて最後は廃棄。
人間が人工的に作り出したものはそう言う宿命を背負っているのです。
先人たちの家づくりはこれを知ってて、適材適所で配置して傷まない工夫をし、長期間風雨に晒されても維持できるよう知恵を結集していました。その家づくりを忘れてはいけないです。
後世に伝える役目も私にはある。
だから妥協なく、一本貫いているわけです。
集成材は使わない、人工乾燥材も使わない、先人たちが培ってきた知恵を授かって貫く。
そんな家づくりをしていきます。
 
 
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