うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

大工棟梁の本懐

少し前のお話。
翌日雨予報でも晴れていれば棟上げしますが、よくお客様から木が濡れると傷むのではと質問をいただきます。
シート養生をしますが、それでも多少雨に木材が濡れたりはどうしてもします。
無垢材は濡れても問題はないのですよ。それは以前お伝えしました。
我々はよ~く乾いた奥三河の自然乾燥材、桧、杉オンリーで構造材を提供しています。
構造材はこれ一本です。
安くするために集成材とか遠く離れた西からの木材は使用禁止。
地産地消が原則。
名古屋は木曽川流域なので、昔は美濃、信州地方の木材を木曽川を通して運搬し、堀川まで搬送していました。
トラックが無い時代はですが。
道路が全国いたるところに整備されてトラックが発達すると、堀川に浮かんでいた材木もだんだんと無くなっていきました。
子供のころはよく堀川の丸太の上で遊んで、材木屋のおじさんに叱られたものです、笑。
私たちの家で使う三河材の量は300坪の土地にある樹木を伐採して全てつかったぐらいと言われます。
伐ったら植林する。古木より若木の方が二酸化炭素を多く吸収しますので、伐採→植林は素晴らしい循環なんですよ。
以前・・伐採するのは悪と言われたことがあります。
木は空気中の二酸化炭素を吸って大きくなります。燃やすと元に戻るだけ。
だから二酸化炭素は増えません。
今、問題になっているのは化石燃料から排出される二酸化炭素量。
自然界にないはずの二酸化炭素が化石燃料を焚く事で放出されてしまう。
樹木の伐採がダメなら、車は乗ってはいけませんし、プラスチック製品は使ってはいけないことになります。
今の生活ではプラステック製品なしで暮らせない状態なので、大きな問題です。
私は大木を伐採して、それを使った建物が三世代は使ってほしいと願っています。
三世代=約90年→ということは90年間二酸化炭素をストックしてくれたということになるのです。
廃棄して燃やしたら放出してしまいますが、そうじゃなければ環境に大きく貢献していることになります。
そんな家づくりをずっとしていきたいです。
こんなことを想わせてくれるのはこの瞬間。建て方が終わった瞬間。
梁は自然乾燥材杉。このサイズは樹齢100年近く。
垂直に立つ柱は樹齢60年生。
屋根の荷重を支えるのは垂木と言われるもの。斜めにすっと伸びている木がそうです。
この先っぽが私は大好き。色気あり。
この垂木は桧の間伐材。30~40年生でしょうか。屈強ですよ!
建築で最も美しい姿だといつも思いますが、皆さんいかがでしょうか。
見えない所に力を入れる。これが大工棟梁の本懐です。

 
 
 
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