基礎が後から斫られています。

今の家は人通口と言って、一か所の床下点検口から潜れば家の隅々まで行けるように事前に開口部がありますが、昔はそういう考えはなく、密閉された床下もままあったのです。
そういうお住まいがシロアリ対策の薬剤散布を依頼すると・・・床下に潜って通れないので基礎をこのように斫るのです。あまり良くないことだけど、やれないから仕方ないというのがシロアリ屋さんの理屈です。
強度的に落ちますか?と言われたら落ちるとしか言いようがないですが、耐震の指標は基礎よりも上部構造躯体なので、斫ってしまったからと言って落ち込まなくても大丈夫です。
この基礎コンクリートは生コンクリートです。まだ現場手練りコンクリートが多かった時代なのに、生コン。色を見たらすぐにわかります。
鉄筋も異形鉄筋だよー。びっくり。

当時は丸鋼と言われる鉄筋が大半だったのに、異形鉄筋。異形だとコンクリートとの密着度が上がるので強度は増します。

丸鋼と言われるものはリブもフシもなく、つるつる。密着度変わるよね。
当時の大半のお住まいが丸鋼なのに、異形鉄筋を使っている。こういう家は解体してはならんのです。
新しい暮らし方の間取りに変更して再生の道を辿ることがベスト。
建て替えよりリノベーションがいい。
思い出もずっと残っていくしね。親から子へ、子から孫へ。棟梁が手塩にかけた家はそれができるんですよ。
低コスト耐震補強しておくだけでも子孫につなぐことができる。そういう工事は難しいけど、使命感を湧き立たせてくれます。
