ふと空を見上げると、樹木の枝先には新芽が。

雲一つない空に新芽って春到来を感じさせてくれます。
人ってなかなか空を見上げることはしないと思いますが、たまにはそんなプチ時間があってもいい。
もう40年近くも前でしょうか。忘れもしないのは、店舗内装工事で行ったヨシヅヤ津島店の駐車場の一コマ。
木造住宅の大工なのに、三年で壊すから丁寧な仕事はしなくていいという店舗の内装工事。
おまけに監督がど素人。知ったかぶりの上に、元請けヅラして威張るとんでもないおっさん。私の道具も勝手に使うし、やり直しばかりさせられるし、ほとほとうんざりした現場でした。
20台半ば、自分の進むべき道も悩んでいた頃です。「こんな仕事ばかりしていては」とね。
昼休みはトラックの荷台で弁当を食べ、そのまま寝転がって30分ほど空を見上げていました。そこはヨシヅヤの大駐車場。寝転がっているとは回りも気づかず(笑)
その時は不思議な感覚は今も残っています。
「何のためにこんなことをやっているのか?」「どうしてこんな連中と仕事しなきゃならないのか?」と心の中でブツブツ言ってましたが、ふと「天は意味があって俺をここに連れてきている。天命がある。嫌々せず今を受け止め、一所懸命やればいい」となった自分がいました。
写真と同じ真っ青な雲一つない快晴の空だったよ。心が少し変わってスイッチが入り、再スタートも現実は同じ。でも受け止め方が変わったので、より必死にやっていた自分がいました。心の中では「いつか必ずここから脱却し自立する」と固く誓ったのはこの時だと思います。
脱却とは簡単ではなく、やり方もわからない。下請け大工は続きましたが、28歳の時に何でもいいのでまずは会社をつくって動くと決めて動き出したその時にお師匠さんと出逢い、埼玉まで訪問して「こんな工務店になる」とベンチマークに。目標ができ、お師匠さんからたくさん学んでそのまま実践。
「真似もできない野郎が新しい事なんてできるわけがねぇだろ!」というお師匠さんの一言は勇気をもらったよ。下請け仕事一切断って、しばらくまともな仕事はなかったけどさ、1軒ずつお仕事をいただいてたくさんの方とめぐり逢い、今に至っています。
あの空が原点だったのかも?心は苦しかったけど、あの空の美しさで自分を見つけた気がします。あの光景はいまだに脳裏に残ったまま。空を見上げる時間は無駄でも何でもなく、心を洗う素敵な時間じゃないかな。
そんな原点がある。妥協なくやる。トレンドに流されてまで建築の仕事をする気は無し。地産地消、職人の手作り、自分が住みたい家をつくる、土に還る材で、建て替えではなく再生させたい、会社から下道で1時間圏内オンリー、昔の棟梁の知恵・知識を活かす、屈強な職人集団であれなど時代遅れと言われそうですが、工務店の原点はここさ。
経営は下手だけど💦、自分の信念を曲げてまで家を提案しなきゃならないようなら自分ではなくなるからね、一気通貫していきます★
