うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

古(いにしえ)の建物を訪ねて新しきを知る パートⅥ

犬山にある明治村続編パート6。
漆喰に焦点をあてましょう。
漆喰と珪藻土の区別がつかない方が結構いらっしゃるので、ここで勉強してくださいね。
1.漆喰無
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漆喰の主成分は石灰岩。その石灰岩や貝殻を窯で焼くと、「生石灰」(炭酸カルシウム)になります。
これに水を加えると、発熱膨張して「消石灰」(水酸化カルシウム)に化学変化します。
この消石灰に、ぎんなん草などを加えたのものが漆喰です(ぎんなん草などが接着剤代わりです)
漆喰に水を加えて壁に塗りつけると、乾燥して空気中の二酸化炭素と化学反応し、再び元の石灰岩と同じ成分の炭酸カルシウムに戻っていくのです。
これは中学校の化学の授業で習う「酸化と還元の法則」です。
つまり、漆喰の壁=石灰岩です。いわば、カルシウムに固まれて暮らしているようなものですから、安全性は抜群です。
 
と難しいことを書いていますが、元々は石灰岩ということ。石だから劣化しないですよー。
 
2.珪藻土 
珪藻土とは、珪藻の殻が化石となり堆積して固形となった土のことを言います。
珪藻は植物性プランクトン。これです。ちょっと気持ち悪いかな?  画像はネットから失礼しています・・・


元々水中に浮遊し、繁殖。藻や赤潮が発生したりするのも繁殖の結果。
微生物ですからやがて死んでしまいます。
残った殻が沈殿し積み重なっていくと化石になる。
この化石を原料としているのが珪藻土。
ということは植物性プランクトンが原料と言うことです。
珪藻土自身で固まる力はなく、接着剤が必要になります。
ということで、接着剤は漆喰は自然の物、珪藻土はどうしても若干でも石油系接着剤を必要とすることを知っててください。
だから珪藻土がダメではありませんよ。
私は好きです。
漆喰はもっと好きです(笑)
 
漆喰の凄みを見せつけるデザインは以下。

壁も天井の複雑な柄も全て漆喰!!!今は廃業されてしまったお付き合いの長い左官屋さんのお父様が明治村の飾り漆喰の仕事をしたとよく教えてくれました。
飾りの漆喰とは上記の写真のようなものです。
 
すごいですよね。
 
もともとはべたべたな漆喰をこんな風に塗ってしまうんですもの。
左官ってすごいといつも思うけど、これは別格。
 
下の写真も見事。こんなセンタリングを左官さんが漆喰で仕上げるなんて感動しかないです。
 

当時は、材料費が高く、人件費が安いという時代。
私が大工スタートした時も同じでした。
私のスタートは昭和54年。
日当は2,000円。
バイト代は時給400円ほど。8時間働けば3,200円。
すなわちバイト代より安かったということ(泣)
3.5寸角桧の柱は1本5,000円ぐらい。
すなわち柱より安かったということ。
柱を1本ダメにしたら、「お前の日当より高いんだ!!!ただ働きしろ!」でしたもの。
お前より柱の方が大事とも言われたし・・・だからね、昭和でもそんな時代があったわけですから、明治の黎明期は言うまでもなし。
だから手間をかけても収益が取れたということです。
 
今、こんな漆喰をご要望されたらいくらかかるのかねぇ・・・やれる職人も数限られる。時代は変わりましたねー。
 
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